年を経て 世の憂きことの まさるかな 昔はかくも
思はざりしを
                   藤原良基
               
(としをへて よのうきことの まさるかな むかしは
 かくも おもわざりしを)

意味・・年を経るにつけて世の中のつらいことがまさる
    ことだ。昔はこうも思わなかったのだが。

    青年期と壮年期とを比較して力の弱ったこと、
    自分の思い通りにならなくなった辛い気持ちを
    詠んでいます。

 注・・憂き=つらいこと、せつないこと。
               
作者・・藤原良基=ふじわらのよしもと。1320~1388。
    南朝と北朝の対立の時後醍醐天皇の信任を受け
    北朝の摂関職になる。

出典・・歌集「詠百歌」(岩波書店「中世和歌集・室町篇」)