いまぞ知る 人をも身をも 恨めしは 我がをろかなる
心なりけり 
                  藤原良基

(いまぞしる ひとをもみをも うらめしは わが
 おろかなる こころなりけり)

意味・・今となって初めて理解できたよ。他人をそして
    自分を恨んだりしたのは、私の愚かな心のなせ
    ることだったと。

    利己的利害にとらわれて、種々の軋轢(あつれき)
    を生じていた頃を述壊しての作と思われます。

作者・・藤原良基=ふしわらのよしもと。1320~1388。
    南朝と北朝の対立が激しい時代の北朝の摂関職に
    あった。

出典・・岩波書店「中世和歌集・室町篇」。