海人の刈る 藻に住む虫の われからと 音をこそ泣かめ
世をば恨みじ
藤原直子
(あまのかる もにすむむしの われからと ねをこそ
なかめ よをばうらみじ)
なかめ よをばうらみじ)
意味・・漁師が刈る海藻に住む虫の名はわれから。
その「我から」というように、二人の仲
がしっくりゆかないのは、誰のせいでも
無くみんな自分自身のせいなんだと泣い
ていよう。二人の不仲を恨みがましくは
思うまい。
その「我から」というように、二人の仲
がしっくりゆかないのは、誰のせいでも
無くみんな自分自身のせいなんだと泣い
ていよう。二人の不仲を恨みがましくは
思うまい。
このように辛い目に会うのも、自分に原
因があるのだからと、声をたてて泣く事
はしても、世をうらんだりはするまい。
因があるのだからと、声をたてて泣く事
はしても、世をうらんだりはするまい。
注・・われから=海藻に付着している甲殻の虫、
「我から(自ら)」を掛ける。この下に
「(不幸を)刈る」を補って解釈する。
「不幸」は男女間の仲たがいと解釈。
音こそ泣め=声をたてて泣きこそしょうが。
世=夫婦の仲、男女の仲。
「我から(自ら)」を掛ける。この下に
「(不幸を)刈る」を補って解釈する。
「不幸」は男女間の仲たがいと解釈。
音こそ泣め=声をたてて泣きこそしょうが。
世=夫婦の仲、男女の仲。
作者・・藤原直子=ふじわらのなおいこ。生没年
未詳。920年従四位下になる。
未詳。920年従四位下になる。
出典・・ 古今集・807。
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