おく山の くちきに花は さきぬとも 数ならぬみを
誰かたづねむ
                  熊谷直好

(おくやまの くちきにはなは さきぬとも かずならぬ
 みを たれかたづねん)

意味・・奥山の朽木に咲くはずもない花が咲いたとしても、
    ものの数にも入らない存在である自分を誰が訪ね
    て来ようか。

    朽木に花が咲くと仮定するのは、埋もれた存在で
    ある自分でも何らかの成果を上げる可能性はある
    という自負を詠んでいます。

 注・・数ならぬ=特に取り立てて数えるほどの値打ちが
     ない。

作者・・熊谷直好=くまがいなおよし。1782~1862。周
    防岩国藩士。香川景樹に師事。

出典・・小学館「近世和歌集」。