年々の わが悲しみは 深くして いよいよ華やぐ
いのちなりけり
                岡本かの子

(としどしの わがかなしみは ふかくして いよいよ
 はなやぐ いのちなりけり)

意味・・年々辛さや悲しみは多くなっているが、生きる
    力は更に強くなっている。

    人間関係のまずさや病気などの苦しみは中々なく
    なるものではない。でもこんな時でも作者は華や
    かな生き方をしていると歌っています。

    苦しい現状を見つめつつ、それを忘れるように、
    他の生き方に一途に没頭して生きていると言って
    いるのだろうか。

    「どのような道をどのように歩くとも、いのち
    いっぱいに生きればいいぞ」  相田みつお

作者・・岡本かの子=おかもとかのこ。1889~1939。跡見
    女学校卒。歌人・作家・仏教研究家。

出典・・岡本かの子著「小説・老妓抄」。