山高み 雲井に見ゆる 桜花 心のゆきて 
折らぬ日ぞなき
              凡河内躬恒
           
(やまたかみ くもいにみゆる さくらばな こころの
 ゆきて おらぬひぞなき)

意味・・山が高いので、大空はるかに見える桜の花は、
    実際に手折ることは出来ないが、気持だけは
    そこまで行って折り取らない日はない。

 注・・雲井=雲のある所、空。
    折らぬ日ぞなき=当時の人は花や紅葉を折って
     家に持ち帰ったり、人に贈る習慣があった。
     
作者・・凡河内躬恒=おおしこうちのみつね。900年前
    後に活躍した人。「古今和歌集」の撰者。

出典・・古今和歌集・358。