門前に 市も立花の 盛かな
                    松永貞徳

(もんぜんに いちもたちばなの さかりかな)

意味・・橘の花のさかりに、花をめでる人々が集まって
    くるので、門前に市が立つほどである。

    橘の花の盛りを詠むのに「門前市をなす」の諺
    を用い、おおらかなおかしさを出しています。

 注・・門前に市=「門前に市をなす」は、出入りする
     者が多くその家が栄えることをいう。
    立花=「市が立つ」と「花橘」を掛ける。橘は
     芳香が強く夏の到来を知らせる。

作者・・松永貞徳=まつながていとく。1571~1653。
    和歌・連歌・狂歌・俳句などに活躍し多くの門
    弟を擁した。

出典・・犬子(えのこ)集(小学館「近世俳句俳文集」)