七夕は 今や別るる 天の川 川霧立ちて
千鳥鳴くなり        
              紀貫之

(たなばたは いまやわかるる あまのがわ かわぎり
 たちて ちどりなくなり)

意味・・七夕は、今、いよいよ別れるのであろうか。
    天の川には川霧が立って、千鳥の鳴いている
    のが聞こえる。

    川霧の中から聞こえる千鳥の声が、おのずか
    ら、織女星(しょくじょせい)の忍び泣きを思
    わせる・・。

 注・・今や別るる=今いよいよ別れるのであろうか。
    千鳥鳴くなり=千鳥が鳴いているのが聞こえ
     る。
作者・・紀貫之=866~945。古今集の中心的撰者で
    仮名序を執筆。「土佐日記」の作者。

出典・・新古今和歌集・327。