狩り暮らし たなばたつめに 宿からん 天の川原に
われは来にけり    
                   在原業平
             
(かりくらし たなばたつめに やどからん あまの
 かわらに われはきにけり)

意味・・一日中狩りをして日暮れになりましたので、
    今夜は織女さまに宿を借りることにしまし
    よう。私達は天の川原に来てしまったので
    すから。

    惟喬親王(これたかのみこ)の仲間になって
    狩りに出かけた時の事、天の川という所で
    馬を下りて川岸にすわり、酒などを飲んだ
    ついでに親王が「狩りして天の川原に至る」
    という趣旨の歌を詠みあげた所で杯を差し
    出す」と仰せられたので詠んだ歌です。

 注・・狩り暮らし=終日狩りをして日暮れになっ
     たので。
    たなばたつめ=棚機つ女。機を織る女。織
     女星の異名。
    天の川=大阪府枚方市禁野の地名。同名の
     川が流れている。
    惟喬親王=文徳天皇の第一皇子。

作者・・在原業平=ありわらのなりひら。825~881。
    美濃権守・従四位。

出典・・伊勢物語・82、古今和歌集・418。