時により 過ぐれば民の 嘆きなり 八大竜王 
雨やめたまえ 
                 源実朝

(ときにより すぐればたみの なげきなり はちだい
 りゅうおう あめやめたまえ)

意味・・恵の雨も、時によっては降りすぎると民の
    嘆きを引きおこします。八大竜王よ雨を止
    めてください。

    1211年の洪水に際して、祈念を込めて
    詠んだ歌であり、為政者としての責任から
    出た歌でもあります。
    
 注・・八大竜王=八体の竜神で雨を司ると信
     じられていた。

作者・・源実朝=みなもとのさねとも。1192~121
    9。28歳。12歳で三代将軍となった。鶴岡
    八幡宮で甥の公卿に暗殺された。

出典・・金槐和歌集。