ころころと 小石流るる 谷川の かじかなくなり 
落合の滝
                建礼門院

(ころころと こいしながるる たにがわの かじかなくなり
 おちあいのたき)

意味・・ころころと小石が転げるようなせせらぎが聞こえる
    谷川は落合の滝となって流れている。この滝では河
    鹿が美しい声で鳴いていて清々しさが誘われる。

 注・・かじか=河鹿。蛙の一種。谷川に棲み美しい声で鳴
     く。
    落合の滝=京都市左京区大原の草生川にあり、寂光
     院につながる道路にある小さな滝。

作者・・建礼門院=けんれいもんいん。1155~1213。高倉
    天皇の中宮。父は平清盛。1185年平家が壇ノ浦の
    合戦で敗れると、入水したが助けられ、その後大原
    の寂光院で尼となる。