河上の ゆつ岩群に 草生さず 常にもがもな
常処女にて
               吹苳刀自

(かわのえの ゆついわむらに くさむさず つねにも
 がもな とこおとめにて)

意味・・川の流れの、清らかな岩々に草が生えずみず
    みずしいように、いつまでも若く清純な少女
    のままでいたい。

 注・・ゆつ岩群=「ゆつ」は神聖・清浄の意。神聖
     な岩石の集まり。
    草生(む)さず=川の流れの中にあるので雑草
     が生えない状態を言う。
    もがもな=「もがも」は他への希望を表す。
     ・・があればいいなあ。「な」は詠嘆を
     表す。・・だといいなあ。
    常処女(とこおとめ)=永遠に若く清純な少
     女。

作者・・吹苳刀自=ふふきのとじ。伝未詳。刀自は女
     性を尊敬して呼ぶ語。

出典・・万葉集・22。