夕立ちの 雲も残らず 空晴れて すだれをのぼる
宵の月影
                永福門院

(ゆうだちの くもものこらず そらはれて すだれを
 のぼる よいのつきかげ)

意味・・今しがたまで夕立ちを降らせていた雲も見え
    なくなり、空は晴れて、簾の向こうは明るい
    月が輝いている。

 注・・すだれ=簾。

作者・・永福門院=えいふくもんいん。1271~1342。
    伏見天皇の中宮。

出典・・永福門院百番御自歌合(岩波書店「中世和歌集・
    鎌倉篇」)