松かげの 岩井の水を むすびつつ 夏なき年と
おもひけるかな 
              恵慶法師
                
(まつかげの いわいのみずを むすびつつ なつなき
 としと おもいけるかな)

意味・・松の木かげに湧く岩井の清水を掬い上げすくい
    あげするたびに、あまりの冷たさに今年は夏の
    ない年かなと思う。

 注・・岩井の水=岩石を井筒に囲み湧出する泉の井戸。

作者・・恵慶法師=えぎょうほうし。生没年未詳。992年
    頃活躍した人。中古三十六歌仙の一人。

出典・・拾遺和歌集集・131。