人問はば 山を川とも 答ふべし 心と問はば
如何に答えん
                放牛 

(ひととわば やまをかわとも こたうべし こころと
 とわば いかにこたえん)

意味・・人々がいろんな事を尋ねて来る時がある。場合
    によっては、山を指してあれは川だと言う事も
    出来る。生きて行く為には、私もウソをつく事
    もある。このように苦しい生活をしていれば、
    それも仕方がない事である。しかし、私の本心
    はと聞かれれば何と答えようか。

    地蔵菩薩を路傍に建立するのは、全ての人々が
    極楽浄土に往生するようにと願っているもので
    ある。しかし、本当は政治がよくなり、人々の
    暮しが楽になる事を願っているのである。

    放牛という僧は1722年から11年間に107体の
        地蔵菩薩を、熊本市を中心に菊池・玉名・阿蘇
        近辺に建立した。その地蔵の多くに、この歌の
        ような道歌が彫られている。

作者・・放牛=ほうぎゅう。生没年未詳。1722年頃に
           活躍した僧。

出典・・インターネット「放牛地蔵」より。