山高み 白木綿花に 落ちたぎつ 滝の河内は 
見れど飽かぬかも    
                笠金村

(やまたかみ しらゆうばなに おちたぎつ たきの
 こうちは みれどあかぬかも)

意味・・山が高いので、白い木綿(ゆう)で作った花
    のように、激した水がドーッと落ちている
    この滝の河内の絶景は見ても見ても見飽き
    る事がない。
    なんとまあ美しいことだろう。

    養老七年(723)に吉野離宮で詠んだ歌です。
    白波を白木綿(しらゆう)に見立てて離宮の
    滝を讃(たた)えています。

 注・・白木綿(しらゆう)=斎串(いくし)としての
     榊(さかき)の枝などにつけた白い木綿。
     木綿は楮(こうぞ)の皮で作った。
    たぎつ=激つ。水が激しく流れる。
    河内=川を中心とした小生活圏。
    離宮=奈良県吉野の宮滝付近にあった離宮。

作者・・笠金村=かさのかなむら。生没年未詳。宮
    廷歌人。
 
出典・・万葉集・909。