秋の夜の あはれはたれも しる物を われのみとなく
きりぎりすかな
藤原兼宗
(あきのよの あわれはたれも しるものを われのみ
となく きりぎりすかな)
意味・・秋の夜の哀れさは誰も知るところなのに、私だ
けが哀れと鳴く蟋蟀(こおろぎ)よ。
注・・あはれ=しみじみとした趣、悲しさ、寂しさ。
われのみとなく=自分だけが哀れを知るかのよ
うに鳴く。
きりぎりす=現在のこおろぎ。
作者・・藤原兼宗=ふじわらのかねむね。1163~1242。
正二位大納言。
出典・・千載和歌集・329。
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