さりともと 思ふ心も 虫の音も よわりはてぬる
秋の暮れかな

                藤原俊成

(さりともと おもうこころも むしのねも よわり
 はてぬる あきのくれかな)

意味・・今まではそうであっても、これからは何とか
    なるだろうと思う心も、そして虫の音も、す
    っかり弱々しくなってしまった秋の暮れです。

    出世が遅れている不遇感の中から、今までは
    不運でもこれからは良い事もあろうと期待す
    る気持ちも、晩秋の虫の音も、衰えてしまっ
    たと、重ね合わせて歎いています。

作者・・藤原俊成=ふじわらのとしなり。1114~12
    04。正三位・皇太后宮大夫。「千載和歌集」
    の撰者。

出典・・千載和歌集・333。