髪五尺 ときなば水に やはらかき 少女ごころは
秘めて放たじ
                 与謝野晶子

(かみごしゃく ときなばみずに やわらかき おとめ
 ごころは ひめてはなたじ)

意味・・長い髪、艶々した私の黒髪、その髪を洗うため
    解き放って水に浸せば、柔らかに広がりつつ水
    と馴染んでいくことでしょう。少女(おとめ)心
    もそのごとく柔らかく順応し易い面もあります
    が、しかし物質的な髪の場合と違って、恋愛を
    理想とする少女心の場合は、真に愛する人が現
    れるまでは、じっと秘めて決して心の扉を開く
    というようなことはいたしません・・、当然、
    若さに漲(みなぎ)る私の美しい白い肌も許しは
    しません。

作者・・与謝野晶子=よさのあきこ。1878~1942。堺
        女学校卒。与謝野鉄幹と結婚。「明星」の花形
    となる。

出典・・歌集「みだれ髪」。