玫瑰や今も沖には未来あり
               中村草田男

(はまなすや いまもおきには みらいあり)

意味・・浜辺に咲いているハマナスの花を見ていると、
    昔、ハマナスの赤い実を食べた頃の故郷が思い
    出されて来る。故郷の浜辺で、沖行く船を眺め
    てはどこに行くのだろうかと、そしていつかあ
    んな船に乗ってみたいと思いながらよく眺めて
    いたものだ。早く大きくなりたいなあと。今、
    海を眺めていると、昔眺めていた頃が思い出さ
    れて来る。あの頃に夢見ていた事は実現したの
    だろうかと。これから先はどうしょうかと、今
    も夢にふけっている。

    「知床旅情」参考です。

    ハマナスが咲くと、飲んで騒いだ頃や山登りを
    した頃が思い出されて来る・・。

        https://youtu.be/tfjKZD03Ox8

    知床の岬に はまなすの 咲くころ
    思い出しておくれ 俺たちのことを
    飲んで騒いで丘に登れば
    はるかクナシリに 白夜は開ける

 注・・玫瑰(はまなす)=バラ科の植物。開花時期は5
     月から6月に紅色の花が咲く。実は赤くミニ
     トマトに似ている。食べられる。浜梨、浜茄
     子とも書く。

作者・・中村草田男=なかむらくさたお。1901~1983。
    東大国文科卒。高浜虚子に師事。

出典・・笠間書院「俳句の解釈と鑑賞事典」。