霜の経 露の緯こそ 弱からし 山の錦の
織ればかつ散る
               藤原関雄 

(しものたて つゆのぬきこそ よわからし やまの
 にしきの おればかつちる)

意味・・山の紅葉は、霜のたて糸、露のよこ糸で織ら
    れた錦であるが、そのたて糸とよこ糸が弱い
    ようである。錦が織りあがったと思うと、そ
    のそばからすぐに散ってゆく。

    紅葉の錦は霜や露のようにはかないものを、
    たて糸やよこ糸にして織ったので、このよう
    にすぐに散ってしまうのであろうと、美しい
    紅葉のはかないのを嘆いた歌です。

作者・・藤原関雄=ふじわらのせきお。815~853。
    従五位下・治部小輔。琴・草書に優れる。

出典・・古今和歌集・291。