唐錦 秋見し水の 鏡さへ 落葉に曇る 
冬の山川
             藤原持季 

(からにしき あきみしみずの かがみさえ おちばに
 くもる ふゆのやまかわ)

意味・・秋には唐錦のような紅葉を映し見た山川の水鏡
    までもが、冬の今は散りかかる落ち葉で曇って
    いる。

    鏡のような水面が少し雲っているようだ。それ
    は落ち葉が散り(塵)、鏡に塵がかかったからで
    あろう。

作者・・藤原持季=ふじわらのもちすえ。1415年生まれ。
    従一位権大納言。1467年出家。

出典・・仙洞歌会(岩波書店「中世和歌集・室町篇」)