何事も かはりはてたる 世の中を 知らでや雪の
白く降るらむ
                 佐々成政

(なにごとも かわりはてたる よのなかを しらでや
 ゆきの しろくふるらん)

意味・・何もかも変わってしまった世の中なのに、そう
    とは知らないからであろうか、去年と同じよう
    に雪は白く降っている。

    成政は織田信長の家臣で越中(富山県)を治めて
    いた。本能寺の変以後は反豊臣秀吉陣営に組し
    ていたが、賤ヶ岳の戦いで秀吉に降伏する。そ
    の結果、越中は前田利家に奪われた。その頃詠
    ん歌です。
    秀吉の時代になり、自分の勢力が衰えると、昔
    の良き日々が思い出され、辛さがつのる。その
    一方そういう辛い事は何も無かったように白い
    雪は降っている。雪でもいい、この悔しさを知
    ってほしい。

作者・・佐々成政=ささなりまさ。生没年未詳。戦国の
    武将。1561年頃より織田信長に仕える。富山城
    を築き越中を治める。

出典・・太閤記(綿貫豊昭著「戦国武将の歌」)。