山路きて むかふ城下や 凧の数
炭大祇
(やまじきて むかうじょうかや たこのかず)
意味・・山路を黙々と歩いてきて、峠を越えると突然視界が
開け、城下町が見えて来た。これから向う城下町の
空には、数えきらない程たくさんの凧が揚がって
いる。
険しい山道、やっと登りきって一息つく旅人。その
眼下に開ける城下町の景・・・天守閣、町家の甍の
波、いく筋かの大きな通り、小さくあちこちに見え
る凧・・・そうしたにぎやかで、しかも穏やかな城
下町の光景を見下ろして、旅人は登り坂の疲れも忘
れるような、ホット救われたような気分になったで
あろう。
作者・・炭大祇=たんたいぎ。1709~ 1771。蕪村と親交。
出典・・尾形仂編「俳句の解釈と鑑賞事典」。
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