行き暮れて 木の下陰を 宿とせば 花やこよひの
主ならまし
平忠度
(ゆきくれて このしたかげを やどとせば はなや
こよいの あるじならまし)
意味・・行くうちに日が暮れて、桜の木の下を今夜の宿と
するならば、花が今夜の主となってこの悔しさを
慰めてくれるだろう。
一の谷の戦いで敗れて落ち行く途中、仮屋を探し
ている時、敵方に討たれた。この時箙(えびら)に
この歌が結ばれていた。
敗者の悲しみとして、明治の唱歌「青葉の笛」に
なっています。
https://youtu.be/FMwjw6zfbVQ
一の谷の 戦(いくさ)敗れ
討たれし平家の 公達(きんだち)あわれ
暁寒き 須磨の嵐に
聞こえしはこれか 青葉の笛
更くる夜半に 門を敲(たた)き
わが師に託せし
言の葉あわれ
今はの際(きわ)まで
持ちし箙(えびら)に
残れるは「花や今宵」の歌
注・・行き暮れて=歩いて行くうちに暮れて。
作者・・平忠度=たいらのただのり。1144~1184。
正四位薩摩守。一の谷の戦いで戦死。
出典・・平家物語。
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