春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ少女

                   大伴家持

(はるのその くれないにおう もものはな したてる
 みちに いでたつおとめ)

意味・・春の庭園に紅色に映えて咲く桃の花、そして
    その下の照り輝く道に出て立っている娘さん
    よ、ともに美しいなあ。

 注・・苑=庭園。
    下照る=桃の花の色で木下が照りはえている。

作者・・大伴家持=大伴家持。718~785。大伴旅人
    の長男。越中(富山)守。万葉集の編纂を行
    う。
出典・・万葉集・4139。