藤が咲き つつじは開き 牡丹かがやく。 季節となれば、
もう 止めどもなく
八代東村
(ふじがさき つつじはひらき ぼたんかがやく。 きせつ
となれば、 もう とめどもなく)
意味・・藤の花が咲いた、つつじの花も開いて牡丹の花も
輝くように咲いている。冬から春に季節は移り変
り変り、それに応じた花が止めどもなくいっぱい
咲き、楽しませてくれる。
昭和25年に詠んだ歌です。「季節となれば、もう
止めどもなく」は、ただ季節の力のみではないと
思う作者である。草木の花は、それを植えた人が
おり、水をやり手入れする人がいて美しい花を咲
かせるのである。社会の進歩、発展を願い、苦し
みの果ての明るい夢を見ている作者である。
作者・・八代東村=やしろとうそん。1889~1952。青山
師範卒。弁護士。
出典・・歌集「東村遺歌集」(窪田章一郎編「現代短歌鑑賞
辞典」
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