玉の緒よ 絶えねば絶えね ながらへば 忍ぶることの
弱りもぞする
式子内親王
(たまのおよ たえねばたえね ながらえば しのぶる
ことの よわりもぞする)
意味・・私の命よ、絶えるならいっそ絶えてしまえ。
もし、生き長らえたら、心に秘めた耐え忍ぶ
力が弱まって、恋が外にあらわれてしまうと
いけないから。
恋している相手にも、世間にも知られまいと
する恋を詠み、心に秘めた恋の苦しさに耐え
きれなくなった瞬間を歌ったものです。
注・・玉の緒=命のこと。
作者・・式子内親王=しょくしないしんのう。生没年
未詳。後白河天皇の第三皇女。賀茂神社の斎
院を勤め後に出家する。
出典・・新古今和歌集・1034、百人一首・89。