*************** 名歌鑑賞 ****************
澄めば見ゆ 濁れば隠る 定めなき この身や水に
やどる月かげ
藤原永範
やどる月かげ
藤原永範
(すめばみゆ にごればかくる さだめなき このみや
みずに やどるつきかげ)
みずに やどるつきかげ)
意味・・心が澄めばよく見えるし、濁れば隠れて
しまう。無常なこの身は水に映る月のよ
うなものであろうか。
しまう。無常なこの身は水に映る月のよ
うなものであろうか。
静かな水面には月は映り、波たって濁れ
ば月は映らない。人の気持ちもこのよう
なもので、心が穏やかな時は水面に月が
映って美しい状態だが悩みなどがあって
心が穏やかでなくなると月は映らなくな
ってしまう。
ば月は映らない。人の気持ちもこのよう
なもので、心が穏やかな時は水面に月が
映って美しい状態だが悩みなどがあって
心が穏やかでなくなると月は映らなくな
ってしまう。
注・・定めなき=はかない、無常だ。
作者・・藤原永範=ふじわらのながのり。1180没。
81歳。正三位宮内郷。
81歳。正三位宮内郷。
出典・・千載和歌集・1224。