*************** 名歌鑑賞 *****************
むかしみし 垂井の水は かはらねど うつれる影ぞ
年をへにける
藤原隆経
(むかしみし たるいのみずは かわらねど うつれる
かげぞ としをへにける)
意味・・昔見た垂井の泉の水は昔と変わらないけれど、
その水に映っている人の姿は、あれから長い
年が過ぎたのだとわかることだ。
変らない自然と我が身の老いへの感慨を詠ん
でいます。
注・・垂井=美濃国不破郡の地名。
作者・・藤原隆経=ふじわらのたかつね。生没年未詳。
1071年頃活躍した人。美濃守・従四位下。
出典・・詞花和歌集・390。